
一言で言えばアンガーマネジメントの本。
限りある人生を無駄な人間関係や争いに使うなという警告の書でもある。この本で定義するアホとは、戦ったり、悩んだりする価値のない人間、不条理な人間の事。
なるほどと感じる部分は多々あった。孫子が唱えた金言に、百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。
とあるが、本書が唱える対処法というのはそうした人間関係上の処方箋といえるだろう。
そもそも愛憎というものは表裏一体であり、自分に対して強い関心(深層心理では好意)があり、何らかの理由から振り向いてほしいからこそ理不尽なことを言ってくる。そしてこちらも嫌いオーラを出してしまっている場合が多い。
本来そうした者は味方にするべきもの(敵ではない)であり、本来的に戦うべき相手は人間関係で悩む自分、腹を立てる自分でしかない。
対策
目的を失わないこと:失敗する人間は自分を見失うことにある。その原因は無駄なプライドにあることが多い。本来は目標達成に重きが置かれるべきであり、それを阻害する要因や感情へは適切に対処するべきである。
サンクコストで割り切る:行動経済学におけるコンコルド効果という概念と同じ。無駄な時間を使いだすとそれに対して回収を働かせようとさらに時間を投資してしまう、無駄なことだと割り切ることが重要。タイムコストも同様に考慮すること。
戦わずして勝つこと:前述の孫子の金言の通り。あるコオロギを使った実験で
興味深いのが、戦いを避ける者が、戦闘的なものより生き残る確率が高いこと。むやみやたらに戦わず体力を温存して、健康体を保っているものが生き残り、メスとの出会いをつかみとり、子孫を残す可能性を残している。
逆手にとる:そもそも足を引っ張る人間は人に好かれておらず、嫌われている人間が多いため、人に認められたい願望が強い。お願い事をしたり、褒めてあげることが重要。
実利を取ること:メンツより実利をとること。受け流して味方にするか相手をうまく利用できる可能性を模索することが重要。
感情をコントロールすること:一流のビジネスパーソンは感情をコントロールするのにたけている。実利を考えて動くか、嫌いオーラを出すこともなく、立ち去るか、第三の眼で場を幽体離脱してみること。
続く
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