酒好き医師が教える最高の飲み方

酒は健康にいいのか悪いのか。適量なら良いとしてどのくらいが適量なのか。インターネット上の情報を津々浦々つまみ食いしても、玉石混淆で何が本当で嘘かよくわからない。その点この本は医師監修の上、医学的な情報に立脚して執筆されているので内容に対して相対的な信頼性がもてる。酒が好きな左党は、自分のアルコール好きが体にどういった影響を及ぼしているのか客観的にとらえる上で役に立つ本であることは間違いない。

特に重要な点

酒は百薬の長:酒の健康効果にはJカーブ効果がある。適量を飲む分には死亡率が下がるが、一定量を超えて来ると、死亡率が上がる。個人差はあるが1日1~2合。一週間で14合程度の摂取ならよい。

二日酔いを避けるポイントはアルコールの血中濃度:アルコールの血中濃度が急激に上昇することで悪酔いとなる。小腸で大半が吸収されるため、胃でアルコールをせき止めることが重要。そのために消化に時間のかかる油物やタンパク質が良い。チーズ、唐揚げ。キャベツのキャベジンも良い。牛乳は大して効果なし。ウコンは肝臓を悪くする。

悪酔い解決のポイント::アルコールの分解に必要な代謝物を補うことが重要。タウリン、セサミン、水分の摂取。

アルコールの処理量:個人差はあるが体重50キロの人が1時間に処理できるのはアルコ―ル5グラム。ビールチュウ瓶の約4分の1。ウイスキーならダブル約4分の1程度。

日本酒のメリット:1日1合程度なら生活習慣病全般に効果が期待できる。狭心症や心筋梗塞の改善にも+。がんの抑制にも寄与したとの実験結果もあり。学習、記憶能力の改善にも効果。他の酒と異なり、ビタミンやアミノ酸(ペプチドも多い)が他種多量に含まれていることが原因。

アルコールによる脳萎縮:個人差はあるが長期にわたる飲酒習慣、多量のエタノール摂取は、脳全体を委縮させる傾向がある(酒だけでなく加齢とともに委縮するのも事実)。認知症の発症率も高まる。個人差はあるがビール350mlを1~6本程度の酒量なら認知症発症のリスクも低下。また脳のシナプス自体は減らないため、学習や運動によって脳機能を復活、高めることは可能。

純米大吟醸で知られる山口県の日本酒、獺祭。そこの社長が至言を残している。「酒は酔うためのものでなく、味わうためのもの」
懐に忍ばせておきたいほどの名言である。ただ、左党として言いたいことがあるとすれば、下記の歌がそれを代弁してくれているようにも思えるのだ。

植木等 「スーダラ節」

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本郷航

代表取締役社長/CEOG2株式会社
G2株式会社代表取締役社長。 司馬遼太郎が描いた偉人達、北方謙三らが描いた熱い英雄たちの物語に影響を受け、高校在学中から起業を志す。 大学在学中からさまざまなビジネスに手を出し、株式投資も並行して行う。その後海外向けの高級ガジェット専門店を立ち上げ、売却。 有田焼ギフト専門店(ジェイトピア)を創立。 あらゆる業界人が焼き物を決してネットで売ることはできないと断定する中、業界を代表するECプラットフォームを構築。新垣結衣、櫻井翔主演のドラマ等のスポンサーも。 ネット社会において、本来ブランド力や技術のあるサービス、物などのブランディング、マーケティングによる価値創出を理念とする。