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愛着障害 子ども時代を引きずる人々

概説
アタッチメント理論を前提にした愛着障害についての概説本。
アタッチメント理論とは幼少期の6か月~1歳半までの両親との関わり方が大人になってからの愛情表現や愛情の受け取り方に大きく影響するという考え方。愛着障害はそれらの愛情表現が通常の型と異なるため、意思疎通に様々な問題を生む現象のことを言う。
アタッチメントの表現型は4つにタイプ別けされる。人口のうち約60%が安定型。不安型が10~15%。回避型が10~15%。前者3つを併せ持ったアタッチメントを混乱型。
詳しくは下記リンクにて。
異性の心を上手に透視する方法 | 虹彩の銀河
https://www.hongo-wataru.com/%E7%95%B0%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%BF%83%E3%82%92%E4%B8%8A%E6%89%8B%E3%81%AB%E9%80%8F%E8%A6%96%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95/
概要 異性に対して燃え上がった感情が、運命だと思えるようなそのフィーリングが、自らを不幸にさせる。 対象に対して心が熱を持ちすぎ、全身の神経を焦がし、心をくたくたに消耗させる。 そんな時が人にはあるのではないだろうか。 結局その原因は相手が何を考えているのかよくわからないことに起因している。
混乱型
安定型や不安型、回避型の診断については以前読んだ前者の本で理解していたつもりだったが、どうにもそれにあてはまらない人がいるような気がしていた。かつての自分を含め。(今は仕事関係の方々から良い影響を受けたためか、安定型に移行したといえる。)
本書を確認すると混乱型という3つのアタッチメントを混合して保有するタイプがいるようで、すっかり腑に落ちた。要は回避型と不安型の両方の性質を併せ持った人間ということ。
すなわち、人と親密になりすぎて自分の世界を犯されることを恐れる一方で、人と親密になりたい気持ちも人一倍強い、2面性を持ったアタッチメントのこと。ある意味幸せを希求しているにも関わらず、幸せから逃避してしまっている型である。
不安型や逃避型は症状が明白なので、一見でわかるのだが、混乱型は勇気があるような面を見せつつ、臆病さも見せる、不思議なタイプといえる。
過去の自分も明らかにそれに位置していたので、自己分析にも役立った。
事例
愛着障害はほぼ両親の影響による。小さいころに両親に束縛癖があったり、ネグレクトがあったり、離別があるなど。
川端康成、夏目漱石、ヘミングウェイ、ビル・クリントンなど様々な著名人の愛着障害(アタッチメント)を分析しているので事例の確認として有益。各型の診断表もあるので実用性も高い。
問題の解消
アタッチメントの表現型は外部環境や出会う人によって変えられる。つまり発達障害と愛着障害は全く異なるもので、愛着障害は確実に治療可能。
それにおいては特にパートナーによる影響が大きい。
基本的に両親の子に対する育成方法に問題があるため、成長の過程で満たされない感情が強く残る。その感情を抑えるために、何かに回避したり逃避したり、依存したりすることがもともとの原因。究極的になんのニーズがあるのかを共有すること。解消するためにはそれを理解し、寄り添うことが重要。また、相手に対して感情の受容、理解、応答の3つを抑えた安全基地的対応が重要。
結論
人は必ず幸せになれる。人との出会いによって。
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