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60年代
60年代、ヒッピー文化、カウンターカルチャー、ドラック、LSD、アルコール、フリーセックス、ベトナム戦争、プラハの春、ロックンロール、ウッドストック、ストーンズ、ディラン。。。
体制による若者たちの反感が60年代の文化を形作った。ドラックとアルコールは反体制側の若者たち、通称ヒッピーらの燃料。彼らが頭蓋骨に詰め込む音楽は、迫害を受けた歴史のあるネグロイド発祥のロックンロール。薬物で大脳をとろかしたハイなロックミュージシャンたちが若者を前にうたう。時代を牽引するでもなく、どこかへ人を導くでもなくただ荒れ狂う猛獣のように、彼らの音は時代にこだまし、若者はステージ上で光輝するスターらに熱狂し、その祝祭を祝うために二度とこない貴重な若者時代、命を燃やした。
ビートルズとは
そんな、混沌が渦巻くその時代の序盤、カウンターカルチャーのど真ん中に燦然と現れたのがビートルズ。60年代のそのものをあらわすiconが彼らだった。
ツインボーカルのジョンレノン、ポールマッカートニー。サイドギターのジョージハリスン、ドラムのリンゴスター。4人が作り出した創造的な音楽に宿る内宇宙が、彼らの外界にある地球という世界に伝播し、やがて一つの時代をつくることになる。
元はイギリス北部のリヴァプール出身。当時イギリスは北部と南部で明らかな収入格差があり、彼らは育った家庭に皆それぞれ問題を抱えた労働者階級出身の若者だった。イギリスでのバンド活動が話題となった彼らは、マネージャー、ブライアンエプスタインの手引きにより、1964年アメリカのニューサリバンショーという超有名音楽番組に出演、視聴率70%という見ない人間が非国民扱いでもされるのではないかというほどの高視聴率を叩きだす。
それ以降、彼らのうわさは耳をふさいでも目をふさいでも伝わってくるほどの絶頂を保った。1970年に彼らは解散するが、チームを率いる音楽上のリーダーがジョンからポールへ移り変わったり、各個人がソロ活動に躍起になったりと結成前期から後期にかけて運営形態が大きくかわり、音楽性も変幻する。
何にせよ、世界中にいるアーティストたちに、いい意味で影響を受けたグループ、悪い影響を受けたグループ、あんまり関係のないグループはどれかと尋ねたならば、その系譜をたどるうちに必ずビートルズに辿り着く。
要は現代ロックの始祖鳥にあたるグループである。

アビーロード
解散の要因1
イギリスから上陸し、アメリカを拠点に全世界に彼らが音楽を広げる上で、強力な後方援護、を行ったのはマネージャーのブライアン・エプスタインだった。リヴァプール時代からの付き合い。ビートルズの運営を財面、法律面ともに全面的に仕切っていた。彼が1967年におそらくは服毒自殺を遂げたことが一つの要因。三国志で言えば曹操に対する荀彧、劉邦で言えば蕭何のような、最前線で戦いを繰り広げる英雄たちの兵站、補給を全面支援した軍師の役割を果たしていた。彼がこの世からなくなることで、その後ビートルズメンバーを中心に設立される巨大複合企業、アップルコアの運営は操舵の効かない巨大な軍艦のごとく、時代をさまよっていく。
解散の要因2
アップルコアの設立。エプスタインの死後に残されたものは彼が社長をつとめたMEMSエンタープライズと交わした契約書の山。メンバーはエプスタイン死後彼の遺構と化した会社と組むのをやめ、アップルコア社を設立する。議決権は4つあり、それぞれが各メンバーに割り当てられた。収益も等分。まもなく運営にアラン・クラインという元ローリングストーンズのマネージャーだった男が経営に参画。アウトローないで立ちと強烈な自信、能力を漂わせるクラインに、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターは心酔する。一方ポール・マッカートニーはクラインを疑いの目で見ており、当時深い関係にあった女性、リンダ・イーストマンの義父を経営に参加させることになる。ここから経営面、契約面、法律面、ことあるごとにクラインVSイーストマン家の主導権争いを、代理戦争のような形でビートルズの3人と1人は繰り広げることになる。アップルコア設立以降、彼らグループの内情は訴訟、もめごとの歴史になる。マジカルミステリーツアーやサージェントペパーズロンリ―ハーツクラブバンドのような現実離れした夢のようなアルバムを作ってきたヒーローたちが、銭ゲバ、泥沼の戦いに足を踏み込んでいくものの見事な三文ストーリーへと堕していくわけだ。
解散の要因3
オノ・ヨーコ。東洋の魔女が世界的ロックスター、ジョンレノンと結びついた。もともとの出会いはオノヨーコの美術展をジョンレノンが支援したことによる。やがて彼らは深い関係となり、ヨーコは彼の元から離れないジョンの肩にとまったオウムの如くして生活を共にすることになる。ビートルズのメンバーが聖域としてきたスタジオにも彼女は毎回居座ることになり、メンバーの当時の心証、発言を見る限りは、とうていそれを受け入れているようには思えなかった。とうの二人は現実の冷たい目線よりももっと都合の良い晴れやかな二人の妄想を見ていたのだろうが。メンバー、スタッフたちにも不満が募る。興味深いのが、ポールマッカートニーがスタジオでいちゃつく2人をみて、アップルコア社で働いていたある女性社員を口説き、スタジオに連れ込んできたこと。そしていちゃつきをみせびらかした過去。
ポールはジョンに対して絶対的な兄のような従属の念を持っていたようだが、おそらくその行為はジョン、目を覚ましてくれよという指摘と、もっと音作りをまじめにやっている俺を見てくれという嫉妬に両分できるんじゃないか。
解散の要因4
メンバーの方向性の不一致。ビートルズ後期、ジョンレノンはバンドとして活動する意欲をなくし、ヘロインやアルコール、オノヨーコとの前衛芸術活動に逃避した。ジョージハリスンは曲を量産するもジョン、ポールの歴史的メロディーメーカーの2大巨頭に阻まれ、曲を発表する機会がなくフラストレーションを溜め込む。ポールは曲作りに妥協することはなく、年下のジョージやリンゴスターを下僕のようにこきつかう。リンゴスターは感情を抑圧するも、あるセッションでストレスの限界から一時録音から離脱する。
ビートルズというはたから見ればあらゆるものごとを夢の旋律に変える現実の魔法使いだったのだろうが、いざそのふたをあけてみれば、メンバーたちの人間関係や金銭問題、音楽性の違いで混沌ともめにもめたてている、洗濯機の中に投入された闇鍋のごとくなり果てていた。
ビートルズと愛着理論
中途
ジョンレノン:恐れ・不安型。幼いころに両親に捨てられたこと、育ての親であるミミおばさんが強烈な人格でジョンを支配する、いわば毒親チックなところがあった点が育ちに大きな影響を与えた。ミミおばさんと恐妻のヨーコに強い相関性あり。
若いころはロックスターの例にもれず放蕩。シンシア・レノンと結婚後。ヨーコと出会う前は8歳年上のイギリス人歌手、アロマ・コーガンと関係を持つ。ヨーコと不倫中、婚約中のシンシア・レノンにひどくあたる。ヨーコと結ばれたのち、共依存の状態に陥る。ヨーコがいないと不安になり、ドラックや酒に走る。失われた週末(ヨーコとの数年の別居期間)中、秘書のメイパンと不倫、いろんな場所人と乱痴気騒ぎを繰り返す。その後ヨーコと復縁するとまるで圧政下におかれたかのような元気のなさ(複数の人間が証言)。占星術に依存。愛着がまったく安定していない。
ポールマッカートニー:両親が中産階級。幼いころに母を乳がんでなくしたことが大きなターニングポイント。放蕩の時期はあれど、女性に依存する傾向がある。不安型。妻は安定型。ヘザーミルズ以降は。。
ジョージハリスン
リンゴスター
ジョン・レノンとオノ・ヨーコの秘書だったメイ・パンジョン・レノンとオノ・ヨーコの個人秘書として雇われていたメイ・パンですが、ジョン・レノンと愛人関係になっていきます。メイ・パンは、移民という出生からして愛人以上にはなれない事は、本人も良く理解していました。

ビートルズ草創期

ビートルズ初期

ビートルズ中期

ビートルズ後期
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