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概説
CIAの凄腕尋問官と元敏腕職員による交渉術の体系本。前作、Spy the Lie(邦題:元CIAが教える嘘の見抜き方)の次回作にあたる。
Spy the Lie | 虹彩の銀河
https://www.hongo-wataru.com/spy-the-lie/
概説 元CIA職員でベテラン尋問官と元敏腕職員による嘘の見抜き方の本(邦題:元CIAが教える嘘の見抜き方)。嘘発見器で使用する質問のフレームワークを機械なしで使用できるよう転用している。海外では相当有名な本らしく、アマゾンUSAではレビューが500を超えている。一方日本ではタイトルと普及させる上でのマーケティングが下手
前著は嘘の見抜き方について特化した本だったが、今回はそれを活かしつつ、いかにして真実を引き出していくのかの過程、方法について述べられている。日本ではアマゾンレビューが1つしかついていないが、アメリカでは102件の評価。日本と海外では虚実を見分けること、実利と利害がぶつかる表立った交渉に対しての手法や考え方の姿勢がだいぶ違うようだ。
それらは日本の社会風土によるものが大きいだろう。大陸社会で異民族たちが坩堝の中でいりまじり、文化的な共通点がない中、論理をもって双方の考えを対立させて考えるアメリカと、均質的な人たちが相手の気持ちを察して対応する対立を良しとしない日本。キリンとサイほどの差異があろう。
それに近年愛着理論でいう回避型の人間が日本で大幅に増加しているそうだ。傷つきたくないし、それから回避したいという行動、認知を取る人のことを言う。数十年前はその割合は5%程度しかなかったようだが、今の若い世代では40%ほどがそれらにあたるという話もある。その点、ますます利害を解決するための正面切った論理合戦が嫌われる社会土壌となりつつある。
事例がアメリカドラマの24のように壮絶。実際敵国の2重スパイやそれを自白させる過程など、普段の生活では仮想の世界でしか見れないような本当の話がいろいろと掲載されていて面白い。
交渉を成功させやすい土壌をつくるのに、その場思考へ持ち込むことを一つの鍵として本書は提示している。テレビショッピングなどで必要ないものを買ってしまう心理にさせることだ。ダニエルカーネマンの言う脳のシステム1をオンにさせるといういい方もできよう。
その場思考に持ち込む要件
言いなりになりやすい状況
繰り返しの効果
こちらのペースに巻き込む
結果を考えさせない
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