経営学のグル、大前研一の処女作にして、経営学の古典的名著”企業参謀”。執筆の時代背景として、オイルショックが発生した不況時に描かれた本であり、独特の緊張感、切迫感が漂ってくる。現在では世界を代表する日本企業の数々がオイルショックに苦しみ、その過酷な経済的氷河期の中でも、決してあきらめることなく、世界的強豪に追いつこうと必死で知恵を絞った時代。あのトヨタでさえ、当時世界最強の競合であったGMとの売り上げの差は20倍ほどもあった。
スタンウェイVSヤマハ
GE VS 日立・東芝
フィリップスVSソニー、松下
見上げるような巨人たちに決して膝を屈しないように、彼らは立ち続け、進み続けた。
そんな時代背景を元に生まれた時の名著
心の旗
この本は機械仕掛けの人間が書いた冷厳な分析の本では決してない。熱い情熱を宿した戦略家の本である。
心に残った言葉
1:戦略的思考は物の本質に基づいて分解する過程と、人間の頭脳を用いて非線形型に組み立てをする部分からなる。
2:ものの本質を考えるため、設問の仕方を解決策志向的に行う。
3:問題点の絞り方を現象追従的に行うこと。
本全般を見て感じたのは、戦略思考は分析のためだけにあるのでなく、本来目的のために、ビジョンをかなえるために混然一体とした現実を紐解き、本質へたどり着くためのツールと捉えているように感じる。結局のところ目的に達するための手段が戦略的思考であり、そしてそれを遂行するための根本的な部分には理想への情熱が必要であると。何度も読み返す価値のある本だと思える。
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G2株式会社代表取締役社長。
司馬遼太郎が描いた偉人達、北方謙三らが描いた熱い英雄たちの物語に影響を受け、高校在学中から起業を志す。
大学在学中からさまざまなビジネスに手を出し、株式投資も並行して行う。その後海外向けの高級ガジェット専門店を立ち上げ、売却。
有田焼ギフト専門店(ジェイトピア)を創立。
あらゆる業界人が焼き物を決してネットで売ることはできないと断定する中、業界を代表するECプラットフォームを構築。新垣結衣、櫻井翔主演のドラマ等のスポンサーも。
ネット社会において、本来ブランド力や技術のあるサービス、物などのブランディング、マーケティングによる価値創出を理念とする。
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